沖本 羽惟さん

卒業した高校名:広島県立福山工業高等学校
卒業年:令和5年卒業
在学中の学科:染織システム科

現在の勤務先:マナック(株) 品質管理課

工業高校を出て役に立ったこと

工業高校では、授業の1つに実習があります。実習では、操作ミスや怪我・事故がないよう、先生方からの指示や操作のポイントはメモをとる、疑問点は積極的に質問として投げかけること等を心がけていました。好奇心や意欲をもった人材を求めている企業は多くあります。そのため、就職してからも自身の強みとして徹底して行いました。先輩方も同じ熱量で応えてくださったことで、知識の幅を広げることもでき、コミュニケーション能力が高まり、社内での人脈形成にも役立ちました。

工業高校で一番しんどかったこと

3年生の課題研究ではかなり苦戦をしました。こでまで個人での作品作りや自身の課題研究が主だったため、グループでの研究に初めは戸惑いがありました。また、テーマの設定から、問題点の抽出、改善案の模索など全てを自分たちで行うため、3年間の集大成をどのようにひとつの形にするか悩みました。様々な壁にぶつかり何度も乗り越えたからこそ、グループ内でそれぞれ得意不得意を補いあうことの大切さ、綿密に計画立てて実行する難しさ、発表後の達成感としんどさよりも得たものの方が大きかったように思います。

工業高校に入った動機

幼少期から絵を描くことや、服飾に興味がありました。また、色彩やデザインへの関心度は、歳を重ねるごとに増し、県内で唯一、染色やデザインについて学ぶことのできる科がある母校に惹かれました。オープンスクールにも足を運び、実際に実習風景を見学したことで、工業高校生として高校生活を送る自分を容易に想像できました。また、受検への背中を押してくれたのは、すでに母校に在籍していた姉でした。生き生きと自分の思うものづくりに励む姿や、家庭に持ち帰って話す工業高校ならではの話に、より入学の気持ちが強くなり、母校への受検を決めました。

中学生に向けてメッセージ

工業高校は、自分の思いをものづくりを通してかたちにできる場所です。何度も改良を重ね、試行錯誤した先には、出来上がった作品のみならず、自身の成長と、「ものづくりって楽しい」という気持ちを得ることができます。また、様々な資格取得や、他科との関わりから、視野が広がり、思いもよらぬ出会いで自分の未来が変わることもあります。私自身、入学当初の将来の目標とは、違う分野の会社に就職しました。高校生活3年間、いろいろな衝撃を受け、たどり着いた道です。工業高校、私は大好きです。ワクワクする場所です。卒業後の今でも「やっぱりものづくり好きだな」と思います。高校生活3年間で得られるのは技術や知識だけじゃありません。ワクワクする毎日のほうが絶対楽しいですよね。少しでも興味を持ったら踏み出してみてください。卒業後、工業高校で良かったと言えることを私が保証します。